HISTORY/本事業の歴史

学生たちのまちづくりコンテストの受賞からはじまり、産学官連携の事業として立ち上がるまで。

【2017年受賞、まちづくりコンテストで受賞】
本事業が立ち上がるきっかけとなったのは、大学生観光まちづくりコンテスト運営協議会が主催し、国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所などが協力して行われた「観光まちづくりコンテスト2017多摩川ステージ」において、東京国際大学の学生チームが発表した「多摩川循環型Δ(デルタ)システム」のプランが「ミズベリング賞」を受賞したことです。 このプランは河川における雑草除去の費用が膨大なものであり、全国各地の自治体運営を圧迫していることを知った東京国際大学の学生たちが、これに対する解決策を専門家や研究者、企業の方々の意見などを聞きながら考えたもので、堤防の刈草をペレットという燃料製品に変える事業を聞きながら、「地域のみんな」で、「まちづくり施策の一環として」続けていこうというものでした。

【実現化への取組】
このプランは特定の企業や団体だけでなく、川崎市の子供たち、川崎市の民間企業、国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所や川崎市役所など、さまざまな立場の人達を巻き込んで行う計画であったことが最大の特徴であり、このことが産学官の連携事業として注目され、プランから実際の事業計画へと発展していったのです。

 

COC採択事業の一環として本格始動

「多摩川循環型Δ(デルタ)システム」のプランは東京国際大学の中でも注目を得て、同大学がCOC(※)採択校でもあったことから、本事業が2018年度のCOC事業の一環として正式科目に登録されました。これによって、事業を推進するチームの拘束はより強力になり、支援や協力をあおぐ各団体との折衝もしやすくなりました。2017年12月には、第1回産学官意見交換会が開かれ、2018年2月には、基本計画がほぼそのまま実現可能なものになるよう、ペレット製造業者との意見交換、とうきゅう環境財団などの支援を受け、機械取扱の指導などの得て、刈草ペレットの商品化に向けた試験が行われました。

 

参加団体組織図

 

製品づくりと地域活動

こうして川崎市、京浜河川事務所、河川財団、関連団体、企業などを巻き込んでの正式な事業活動として動き出した「多摩川循環型Δ(デルタ)システム」計画は、より活発に活動を始めました。草刈から燃料ペレットをつくることだけでは、採算的に難しいこともわかり、それとは別の製品開発ができないか、企業や団体の方々とともに新しい製品開発にチャレンジをしています。また、地域の子どもたちとの交流という当初のからの目的の一つを実現するために、川崎市の小学校の児童と国際大学の学生が一緒に、ペレット製造体験や関連したゲーム、クイズ、などで楽しみながら多摩川への理解を深め交流会の活動も、一つの柱として行っています。始まって間もない事業ではありますが、こうした歴史を踏まえ、今後もさらなる活動で、地域に役立っていこうと考えています。

 

 

 

 

 

(※)大学COC(Center of Community) 事業:自治体を中心に地域社会と連携し、全学的に地域を志向した教育・研究・社会貢献を進める「地域のための大学」として全学的な教育カリキュラム・教育組織の改革を行いながら、地域の課題(ニーズ)と大学の資源(シーズ)の効果的なマッチングによる地域の課題解決、更には自治体を中心に地域社会と大学が協働して課題を共有しそれを踏まえた地域復興策の立案・実施まで視野に入れた取組を進めます。これにより、大学での学びを通して地域の課題等の認識を深め、解決に向けて主体的に行動できる人材を育成するとともに、大学のガバナンス改革や各大学の強みを活かした大学の機能別分化を推進し、地域再生・活性化の拠点となる大学を形成します。